【調停】解決手段の選択

【関連分野】離婚などの家事事件、民事事件、合意による解決が向いている事件、夫婦関係円満調整、ADR、調停、審判、訴訟、非訟、仮処分

 

皆さま、こんにちは。

桜が綺麗ですね(写真は影になってしまい、すみません。)。暖かくなって過ごしやすくなってきました。

 

交通事故などで「保険会社に事案の特殊性を捨象した金額提示がされて納得いかない。だけど、弁護士をつけると高額の弁護士費用が…泣き寝入りかな…」と思うことありませんか?

今回は、トラブル解決の手段の中の「調停」についてご紹介です。

 

トラブル解決の手段全体を見た上で、「調停」を詳しく見ていきましょう。

①当事者同士又は弁護士を間に入れての合意解決

まず、裁判所での手続に至る前のトラブル解決(合意解決)が基本です。

裁判所での手続となりますと、費用も時間もかかります。

弁護士等以外の人にとっては非日常の時間でしょうから、強いストレスを感じる方もいらっしゃいます。

「勝つこと」と「日常を取り戻すこと」の葛藤となることもある場面です。

 

当事者同士又は弁護士を間に入れても、納得がいく合意に至らない場合、又はそのような合意が見込めない場合には、中立・公正な第三者を交えたトラブル解決を図ることになります。

② 第三者を交えての解決手段

その「第三者」には裁判所や、それ以外にも各種ADRなどの紛争解決機関もございます。

ここでは、裁判所を利用したトラブル解決のうち「調停」に限って、その特徴を取り上げます。なお、利用できる場面は限られますが、裁判所では審判訴訟非訟仮処分などの手続もございます。

 

調停は、裁判所を利用して合意による解決を目指す手続です。

離婚事件などのように、訴訟前に調停する必要がある種類の事件調停前置もあります。

 

また、訴訟前に調停する必要がある事件(調停前置)でなくても、調停を申し立てることはできます。

意外かもしれませんが、裁判外での合意解決が難しくても、調停の場で合意できることはあります。

感情的なトラブルにおいて、正論で証拠も揃っているとしても、相手方から言われると受け入れられないという方がいます。それでも、相手方ではなく裁判所から言われると、不思議と受け入れるというときがあります。

これは最終的には当事者の性格なども絡む問題であり、裁判に至る前の話合いの段階で見極めることになります。

例えば、ちょっと極端ですが、相手方側の代理人弁護士にも敵意を向けるような人の場合には、裁判所から合意を促されても「裁判所が理解してくれない」と心を閉ざすでしょうから、調停というトラブル解決の手段は向いていないということになります。

③ 調停不成立になった場合

合意が見込めない事案や、合意を見込めても一定程度主張を尽くして争点(法律的な問題点)が整理された段階の方が納得いく解決になる事案の場合には、調停しても功を奏さない可能性が高いです。

そういった事案では、調停を経ずに訴訟提起の方が向いているかもしれません。

 

調停では合意に至らず不成立となった場合でも、その事件について不成立の日から2週間以内に訴訟提起した場合には、調停の際の印紙代が訴訟の際の印紙代に充当されます。

調停申立ての印紙代が訴訟提起の印紙代の半額なので、訴額が同じ場合には、半分が充当され「半額になる」というイメージです。常に「半額」ではなく、あくまで「調停の際の印紙代」が訴訟の際の印紙代に充当されるということになります。

 

このように印紙代を充当するため、調停を経ていることや、同一「事件」であるのかを訴訟提起の裁判所が確認できるように、調停事件の裁判所から調停不成立の証明をもらう必要があります。

申請が必要です

手数料は証明事項の個数ごとに150円(収入印紙)です。例えば、①調停不成立によって終了した年月日と②貼用印紙額の2点を証明する場合には300円になります。「同一事件」の確認のために調停申立書も添えて申請し、証明書と一体となって綴じられます。

 

※訴訟事件から代理人となる場合には、調停不成立証明の申請のための委任状を訴訟委任状とは別に必要になります。調停事件の代理人であった場合には、調停不成立証明の申請のための委任状は不要です。

 

※離婚事件のように調停前置事件の場合にも、調停を前置している証明のために、基本的には調停不成立証明が必要になります。証明事項として、不成立年月日及び貼用印紙額の証明が必要であるかは、事案ごとに目的に即して考えることになります。

 

※訴訟提起の際に「調停不成立証明」の書類(調停申立書と一体になったもの)を提出します。上申書は不要です。

詳細は管轄の裁判所に確認すると良いと思います(例えば、裁判所によっては、離婚事件で調停を前置している証明は同一裁判所ならば不要としていることもあると聞いたことがあります。)。

④ 最後に

交通事故などで「保険会社に事案の特殊性を捨象した金額提示がされて納得いかない。だけど、弁護士をつけると高額の弁護士費用が…泣き寝入りかな…」

 

そんなとき、弁護士を付けることはできなくとも、調停等の手続のご利用も検討さなさるといいかもしれません。

中立的な第三者が双方に必要な意見を述べてくれることを期待できます。

弁護士費用よりも安いですし、本人自身が申し立てることのハードルは訴訟よりも低いです。

 

また、実は、夫婦関係の問題でも、夫婦関係を円満に調整するための調停もあります。

夫婦関係の調整は、離婚だけではなく、家庭内でのボタンの掛け違いを利害を有しない第三者を入れて冷静に意見を言い合う場を作り、円満な夫婦関係へとの調整を図る調停もあるのです。

弁護士が入ると「向こうの意見を代弁しているだけ。」などと相手が反発しがちです。しかし、そうであっても、中立的な第三者の意見には真摯に耳を傾けられる人もいます。

 

調停という解決手段によって、相手方が譲歩したり、あるいは自身が納得できるなど、前に進み出すための大きな一歩になるかもしれません。

 

 

当事務所では、ご依頼いただいて代理人になることに限らず、全体(現状の全体像の軸、将来を見据えた軸の両方)を見たとき、相談者様が最も望んでいることに向いている手段を共に考え、ご提案できるように努めます。

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    ②電子マネー不正利用事件(東京高裁平成29年1月18日判決。判例時報2356号121頁)⇒判決文

    ③バニーガール衣装反訴勝訴事件(東京地裁令和3年10月29日判決。裁判所ウェブサイト掲載判例)⇒判決文

    ④LINE商標不使用取消審判取消請求事件(知財高裁平成28年3月24日判決。裁判所ウェブサイト掲載判例)⇒判決文

    ⑤ニコイチ・ユウレイ未払残業代・付加金請求事件(東京地裁平成27年2月20日判決)⇒判決文

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